「競技空手と武術空手」 | |
師範 藤本 恵祐 |
2006年07月09日 |
先日沖空会首都圏大会が開催され、多数の選手による激戦が繰り広げられました。勝った方も負けた方も色々学ぶ点べき点があったかと思います。 特に組手では、沖空会東京本部ルールに従って競技に臨んで頂きましたが、私は審判及び監査をしていて思うところがありました。それはポイント制ルールに基づく競技と武術たる空手の関係についてです。 空手が普及した背景には、確かに競技ルールの整備や審判技術・防具の進化が果たす役割が大きかったと思います。一定の基準があるからこそ、選手の皆さんも納得感を持ちかつ安全に試合に参加することができるわけです。 しかし、一方で、空手は本来徒手空拳、素手による護身術という出発点を持つのも事実です。 それは、究極の場面においては、相手を空手の技で制圧するということを意味します。実際に皆さんが街中で暴漢に襲われ逃げ道を失い万策尽きた場合は、審判もルール、試合コートもない中で自己のあるいは家族友人の身体生命を守り抜かなくてはなりません。 そのような局面においては、かえって現在の競技ルールに慣れきってしまった方にとっては、過剰な自信からかえって身に危険の及ぶリスクが高くなってしまうのではないかと思います。相手は刃物を持っている場合すらあり得ます。競技の技術と実戦の技術はおのずと異なる、というのが私の見解です。 その意味で、私は組手競技を否定はしませんが、過剰に評価することもしません。あくまで道場稽古で皆さんが鍛錬するのは、いざという場合に備えた実戦性の高いものでなくてはならないと考えています。これからも、実戦で使える技を皆さんとともに考え磨いて行きたいと思います。 但し、その前提には、 以上、皆さんの空手道修行に際して常に自問自答して頂きたいテーマです。(初回は少し固かったですかね?次回以降はもっと楽しい、思わずにやっと笑えるような極上ネタを用意しておきます) |