「人生は旅、空手探しの旅はこれからも」 |
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准師範 宮崎 祐吉 |
2006年07月16日 |
私が、沖縄で仲程先生とお会いして、空手と出会ってもう10年が過ぎました。まだまだこれからと思いながら稽古を続けてきましたが、あっという間でした。縁というのは不思議なものですね。それまで考えてもいなかった空手人生を今楽しんでいます。そんな私の気持ちを、いま流行の「ヒデ」の引退コラムを拝借し、まとめてみました。 「人生は旅、空手探しの旅はこれからも」 わたしが仲程先生に出会い、「空手」という旅に出ておよそ10年の月日がたちました。沖縄の那覇の町の片隅の小さな道場からその旅は始まりました。 あのころは突きや蹴りを夢中になって稽古して、技を磨く事に夢中になりました。そして、先生と思い切り汗を流し、空手を楽しみました。そのころ私の「空手」は常に先生とともにありました。 この旅がこんなに続くとは私自身思いもよりませんでした。沖縄で試合に出場したり、知り合いの結婚式やお祝いのパーティ、また東京ドームで演武をしたり、いろんな場所で「空手」を楽しみました。 沖縄から鎌倉、福岡そしてまた藤沢と生活の拠点は変わっていきましたが「空手」はどんな時もわたしの心の中心にありました。「空手」は本当に多くのものを授けてくれました。緊張や喜び、悲しみ、友そして試練を与えてくれました。 もちろん平穏で楽しい事だけだったわけではありません。それ故に与えられたことすべてが私にとってすばらしい経験となり、自分を成長させてくれました。 最近になり、ますます「空手」が好きになっています。なにか特別な理由があったからではありません。その理由もひとつではありません。今言えることは、これからも「空手」探しの旅を続けて行きたいということです。 指導をするようになり、自分の稽古の時間が少なくなりました。でも「空手好きですか」ときかれると、「大好きです」と素直に答える自分がいます。責任を負って、空手を伝える尊さに、大きな感動を覚えながら空手を始めたころにもっていた以上の空手に対する気持ちがどんどん湧き上がってきます。もっと知りたい、覚えたい。もっとうまく使えるようになりたい。 そして、思いました。どこのどんな道場にうかがっても、熱心に学ぼうとする人たちがいる。どの道場でも丁寧にご指導いただける先生たちがいる。本当にみなさんがいたからこそ、10年もの長い旅が続けて来れたのだと。 空手の中でも、「上地流」は、私にとって特別なものです。 100年もの昔に中国から伝えられた技を時代の波に流されずに手を加えずに今も続ける私たちの「上地流」を私は誇りに思います。それを学ぼうとする人たちがまた100年後もこの技を伝えていく事を信じています。 だから、私もまた安心して旅を続ける事ができます。これからも今まで持ち続けてきた「誇り」と皆さんの情熱を胸に、旅を続けます。そう思えばこそ、この先の旅の中で、どんな困難な事があろうとも乗り越えていけると信じられます。 空手探しの旅はこれからも続きます。 これまでご指導いただいた先生がた、これまで一緒に稽古してきたみなさん、これまで支えてくれた家族のみんなに、そして最後に私をこの旅に導いていただいた仲程先生に心のそこから一言を。
“ありがとう。” |