『その日暮らしについて(なんだかんだと)考える・・・の巻』 | |
師範 藤本 恵祐 |
2007年2月4日 |
コラムも連載30回目となりました。「毎週楽しみにしています・・・」という会員・保護者の皆さんのお声に、嬉しいやら緊張するやら。ひとつのテーマを決めて自分の考えを短文に(私の場合はけっこう長文!)まとめるのは意外と難しいものです。週刊誌などに連載コーナーを持つコラムニストや芸能人の皆さんを尊敬してしまいます。 さて、今回は一見実に「投げやり」なテーマ・・・に見えますが、決してそうではありません。生きて行くうえで、私にとってはすごく重要なテーマなんです。少々お時間拝借。 私たち人間は、他の動物と違って、過去や将来といったものにかなり束縛されて生きてゆく動物かも知れません。「昨日は失敗した・・・」「明日はどうなるだろう・・・」 動物ならおよそ持たないであろうと思われる感情に支配されがちな生き物というところでしょうか(動物学的に間違っていたらゴメンなさい)。皆さんもきっとそんな「後悔」や「不安」にさいなまれた経験をお持ちだと思います。 私はそのような気持ちにはまってしまったら、次の魔法の言葉を自分に言い聞かせるようにしています。「何だかんだ言っても、自分が実際に生きれるのは今日というこの一日だけだ」。過ぎ去った日々や出来事はもうどうにも変えようがないし、一体生きているかどうかすら約束されていない明日のことなんかでくよくよ悩んでも仕方がない、ということです。 ならば、確実に与えられた今日というこの一日をいかに明るく、前向きに、そしてひたむきに過ごすかが大切ではないでしょうか。その一日一日の積み重ねが「人生」そのもののような気がします。出典は忘れましたが、「一日一生(いちじついっしょう)」「毎朝が新しい人生の始まりだ "Today is the another day"」という含蓄のある言葉が、私の座右の銘でもあります。 今回のテーマである「その日暮らし」は、一般的に怠惰な生き様を表すマイナスイメージで使われることが多いのですが、見方を変えれば人間の究極の生き方を示しているような気がするんです。 さて、上記のお話しを少し空手の修行に当てはめてみますと、皆さんは一回一回の稽古に自分で納得が行くまで精一杯打ち込めていますか?「先週はたくさん稽古したから・・・」、あるいは「来週こそ頑張ろう・・・」という気持ちになったことはありませんか。そんなときは、皆さんに「今日のこの稽古に集中して打ち込もう」という気持ちに切り替えて欲しいのです。 これも出典失念しましたが、武道修行の心がけを示すものとして「毎日が入門」という言葉をプレゼントします。 自分自身の技の上達に奢ることなく、「毎回毎回稽古を始めるときに、今日から修行を始めるんだ」という新鮮で謙虚な気持ちになって頂きたいのです。 ということで、今回も予想通り(笑)長文のコラムになりましたが、皆さんのご感想やいかに。明日もすばらしい一日であることを楽しみにしつつ、THE END。 <おまけ> |