「春有百花秋有月・・便是人間好時節」(無門関)より」

准師範   宮崎 祐吉

 2007年5月20日

 風薫る5月、若葉の萌える季節です。生命の息吹を感じるシーズンです。でも学生さんはテストシーズン。新社会人も5月病など5月は1つの節目の季節ですね。もちろん我が空手でも5月は審査のシーズンです。1つの関門の月と言ってもよいでしょう。 

 今回はその「関門」についてのお話しです。いまから約800年前、中国宋代の禅僧無門慧開が編んだ公案集に「無門関」があります。 私の大好きな本です。大道無門・・・・から始まる禅宗の名著として知られておりますが、そのなかで、悩みやテストなど関門に向けて心が落ち着く所をご紹介しましょう。 

19則  平常是道」
春有百花秋有月  (春に百花有り、秋に月あり、)
夏有涼風冬有雪  (夏に涼風有り、冬に雪有り。)
若無閑事軽挂心頭 (つまらぬ事を心に掛けねば、)
便是人間好時節  (年じゅうこの世は極楽さ)

 自分の前には、いつもテストや宿題・仕事の課題など気にかかることがたくさんあります。でも周りを見てください。春には花があり、暑い夏でも涼しい風を感じる事ができます。秋にはきれいな月を見ることができ、寒い冬でも雪を楽しみことができます。ホントに生きているってすばらしい。人生は楽しいですね。目先の事にとらわれず、立ち止まらずに、日々やるべきことをやって、あとは、周りを見るゆとりを持って楽しく過ごしましょう。

 空手修業にも厳しい季節もありますが、焦らずあわてず、四季の流れのように種をまき、じっくり手入れをして、大きな実りをつけましょう。志を持って、キチンと稽古を続けていれば必ず上達します。 

 おじさん会員の皆さん、空手修行は厳しいですが、道場にもたくさんの花がありますよ。幸せですね。最近の花はきれいなだけでなく強かったりもしますけど・・・・(笑)。

 大きな実りを目指して、また道場で稽古を楽しみましょう。
 

 

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