花看半開、酒飲微酔(花は半開を看て、酒はほろ酔い)」  

准師範  宮崎 祐吉

 2008年4月9日

(愛宕山より)♪野辺へでてまいりますと、春先のことで、
空には雲雀がピーチクパーチクさえずって、下は、レンゲ・タンポポの花ざかり。
かげろうが、もえたって、遠山には、スーと霞が帯をひいたよう、
麦が青々と茂り、なたねの花がいろづいてこようかという本陽気♪ 

  春は桜、今年もお花見の季節がやってまいりました。
東京の桜は全国でもトップクラスの早さで満開となりました。
でもあっという間に、花散らしの嵐がきてしまいました。
でも北国はこれからお花見の季節がやってきます。
まだまだ、きれいな花を見ておいしいお酒を飲み、春を楽しむことができます。

  湘南沖空会の皆さん、先日は、新林公園お花見会楽しかったですね。
すこし寒かったですが、皆さんと一緒にワイワイガヤガヤ、
春を感じながら楽しく過ごすことができました。(感謝)
事さんご苦労様でした。(感謝)
ウキウキしすぎて、飲みすぎてしまった人はいませんでしたか?(笑)
そこで、お花見にちなんだ人生訓をひとつ。

  「花看半開、酒飲微酔。此中大佳趣。」   菜根譚・後集122
花は半開の五分咲きを見て、酒はほろ酔い程度にのむ。
この中になんともいえぬよい趣がある。
もし、いつも満開の花を見て泥酔するまで飲むと醜悪なことになる。

  つまり、何事も控えめで、少々足りない程度が最適としておきなさい。
幸せな時こそ、「足るを知る心が大切」ということです。

  「過ぎたるは及ばざるがごとし」とも言いますね。
空手の稽古も人生も無理をせずに楽しんでいきましょう。
無理をしては続けることはできません。
無理のない厳しい稽古を、楽(らく)をしないで楽しく続けましょう。

  また、春は新しいステージのスタートです。
新生活を楽しむために、もうひとつ、

魚得水逝、而相忘乎水。
鳥乗風飛、而不知有風。
識此可以超物累、可以楽天機。  (菜根譚・後集67)

魚は水があるから自由に泳いでいるのに、水があることを忘れている。
鳥は風があるから自由に飛びまわるのに、風のあることを知らない。
この道理を悟れば、物事への拘りから解放され、
大自然のはたらきを大いに楽しめるでしょう。

人間も魚や鳥と一緒ですね。
私たちは、ついつい自分一人で生きていると思いがちです。
でも、生きることは決して一人ではできません。
電車やバスに乗る、食べることなど、生活にかかわるいろんな場面で、
自分の知らない人たちの営みの中で暮らしています。
まわりを見ると、人間として生きていくための空気や水、気候など
宇宙や太陽や地球、大自然が私たちを大きくつつんでいるのです。

  この当たり前の世界で生きていることを感謝して人生を楽しむために、
一日一日を新鮮な気持ちで、またその時その瞬間を大切に使い、
過ぎたことにはとらわれず、正々堂々前を向いて生きていきましょう。
そうすれば大自然と一体となり季節を感じながら人生を楽しめるでしょう。

  空手の修業も、
初心を忘れず、毎回新鮮な気持ちで、一つ一つの稽古を真剣に取り組み、
小手先の技や目先の勝ち負けにとらわれることなく、決して焦ることなく、
武道の本質を体得することを目指して一歩一歩空手道を極めていきましょう。

  おじさん会員の皆さん♪
お花見だけでなく、稽古でも、夜の街でも、満開のきれいな花ばかり
追いかけず、飲み過ぎず「花看半開 酒飲微酔」がよろしいようです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
飲みすぎ、やり過ぎ、食べ過ぎに注意しましょう!
・・・・・メタボ対策にもなりそうですね(笑)

 

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