時空を超えて生きる・・・の巻

館長・師範  藤本 恵祐

 2008年10月12日

 
ここ1ヶ月間、仕事の関係で名古屋1往復、北海道3往復、九州を1往復します。移動距離にして延べ約1万km

特に飛行機を利用する場合、出張先と湘南の気温差、狭い座席とおまけに0.8気圧の機内環境で肉体的にも精神的にもかなり辛いものがあります。(海外出張の多い方は、さらに「言語」と「時差」という魔物が加わることになります) 

しかし、片道たった1時間半で日本列島の半分を一気に移動するわけで、夕方まで札幌にいたのに、夜には自宅で沖空会のホームページを見てたりして・・・。

現代人は、かくしていとも簡単に「時空を超えて」しまう経験をするんですよね。

空手の世界でも、実はあっさり「時空を超えて」しまう場合があるような気がします。

今から数百年前、名も知らぬ武術家によって編み出された技法の数々。

普段の稽古では、何気なく伝承された通りに身体を動かして黙黙と鍛錬している訳ですが、「一体この技を考え出した人は、どんな状況で、どんな経緯でその技に到達したのか???」なんて真剣に考えていると、「あっ、ひょっとしてこうか!」と妙に納得がゆく瞬間があるんです。 

その時、私は数百年前に一気にタイムスリップし、その技を編み出した先達が、あたかも目の前に現れてにっこり微笑んでくれているような錯覚を覚えます。

「そうか、藤本くん、やっと気付いてくれたのか」と。

そうです、空手の稽古に打ち込む中で、私たちは意図せずして「時空を超える」経験をすることがあり得るのです。 

永い永い悠久の歴史の中で、大切に、そしてじっくりと時間をかけて練り上げられてきた数々の妙技とセオリー。その片鱗に出会うだけでも実に素晴らしいじゃありませんか!

まだまだわからないことだらけの空手ですが、「時空を超えて」少しずつその奥義に近づいてゆくプロセスこそ、私たちが後世に残さなくてはいけない「空手道」そのものなのかもしれませんね。

そして、この「時空を超える」ための魔法の切符は、まさに「日々の鍛錬」と「純粋に空手を愛し先達を敬う素直な心」のような気がしてなりません。

皆さんも、これからさらに稽古に精進し、「時空を超える」ための「マイル」をたくさん貯めましょう!!

今回は「出張疲れ」もあり、このへんでTHE END(笑)

 

 

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