空気を相手取る |
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指導員 叢 可奈子 |
2008年11月16日 |
私は今、ある小売業のお店でアルバイトをしています。 しかし、私たちが普段、何気なく利用している小売店は、知らないところで、あらゆる努力がされていて、日々の売り上げ向上目指して運営されているのですね。 例えば商品の整理を徹底するとか、お客様に対して丁寧な接客をする、これらは基本的なことです。 その他にも商品の置き方や、発注のやり方など、私の知らない様々な工夫がされていました。 売り上げ向上のために、ある日店長から言われた言葉が印象に残っています。 「空気を売らないで下さい。」 つまり、商品を切らさないようにする、スペースを無駄に使わない、ということです。 商品が売り切れてしまえば、そのスペースには何もなく、ただポッカリ穴があいてしまいます。 空気を相手にしているこの表現はおもしろいなと思いました。 普段私たちは、空気をあえて意識するなんてことはなかなかありません。 ですが、この店長からの言葉を聞いたとき、私はふと空手のことを思い出しました。 型の稽古をするとき、目の前に本当の相手は存在しません。 基本稽古で、突きや蹴りをする時もそうです。 目の前に人がいない状況で、受けや突き蹴りを行う時、私たちは空気に向かってそれを行います。 皆さん、何も考えないで、ただ空中に突き蹴りするのと、「空気」を自分の相手として突き蹴りするのでは何だか意識が変わりませんか? 私はいつもより少し力強く突き蹴りしたい気分になりました! そういえば、空気をあえて意識するなんてことはないと書きましたが、 その場の空気が読めない行動をしてしまう人が「KY」と呼ばれてしまう今(もう古いのでしょうか?)むしろ私たちは日々頻繁に空気相手に生活しているかもしれませんね・・・。
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