イメージ力  

指導員   叢 可奈子 

 2009年2月10日


先日、インターネットで面白いコラムを発見しました。
人間の「脳」についてのお話しです。
その記事によれば、人間の脳は意外と単純に出来ていて、だまされやすい、とのことです。
すっぱーいレモンを想像したら、実際には食べてないのに唾液が出てきた、なんていう経験はないでしょうか。
これは脳が、想像したことと現実をうまく判別できなかったために起るそうです。
また、この現象を利用した、こんな恐ろしい実験もあります。
目隠しをした被験者に『これは熱した鉄の棒です』といって鉄をくっつけるとどうなるか、という実験です。
結果は、熱さに絶叫するだけでなく、実際に火傷らしきものが出きたそうです。
 

このように、人間の脳は、意外とだまされやすいらしいのです。
このことは、日常生活にも深く関わってきます。
イメージしたことと、現実がうまく判断できない。
ということは・・・
例えば、ネガティブなことばかりイメージしていたら、体がそのように反応してしまうんですね。
つまり、「出来ない」という悪いイメージをしてしまうと、それが現実となってしまう可能性がグンと高くなるということです。
 

私にも思い当たることがあります。
中学生のころ、体育で長距離走を行ったときの話しです。
長距離走が大嫌いな私は、とても暗い気持ちでスタートを切りました。
途中苦しくてしかたなかったのですが、皆も頑張っている中、自分だけ諦めるわけにもいきません。
そこで私は途中から心の中で、「苦しくない!苦しくない!」とひたすら唱えながら走りました。
すると、みるみる足が軽くなり、呼吸も安定し、最終的にはトップでゴール出来たのです。
その時は、奇跡だと思いました。
 

この経験を、先ほどの話しにあてはめると・・・

私:ハァハァ。辛いよー苦しいよー。

脳:辛くて苦しいんだって。じゃあもっと酸素減らさなきゃ。(実際に酸素量減る)

私:まずい、これじゃあ完走出来ない。苦しくない!苦しくない!

脳:あぁ、苦し・・・くない?!苦しくないらしいぞ。苦しくないんだって!体に酸素取り込んで!筋肉、もっと動いて!(実際に酸素量増え、筋肉もよく動く)

私:あれ?!苦しくない!

という感じでしょうか。

私の脳は本当に単純みたいです。完全にだまされています。

私たちは、脳が指令を出して初めて、あらゆることを「する」ことが出来ます。
ですから、脳は大変働き者で、賢い存在なのです。
でも、このように、純粋というか、少しおバカなところもあるのですね。

  「ネガティブ」にイメージすれば、そのような結果になり、
「ポジティブ」にイメージすれば、そのような結果になる。

空手の稽古をするときは、ぜひ頭の中で良いイメージをしながら行いたいですね。

この脳の機能を知った今、一つどうしても試してみたいことがあります。
三戦の鍛えを受ける前に

「痛くない痛くない痛くない痛くない・・・・」

と唱えれば、痛くないんでしょうか!?

そうしたら大変ですね(汗)

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