開拓者魂

指導員  上地 正昭

 2009年5月10日

 30代そこらの私が言うのも烏滸がましいですが、人間齢をとると新しいことにチャレンジすることがだんだん億劫になるのだな、と最近感じます。所謂「フロンティア スピリッツ(開拓者魂)」が徐々に減退しているような・・・・。

 平凡な私のこれまでの人生の中でも、仕事をやりながら大学院に通ったり、別業界に転職をしたり、未経験の業務分野へ異動希望したり など、人生の転機となるような新たな領域への挑戦を決断をする場面はいくつかありました。また空手で言えば、湘南沖空会の門を叩いたり、名古屋の別流派の道場での白帯からの再スタートしたりと いったことも、自分なりの「フロンティア スピリッツ」の顕れのひとつだったと思っています。

 未知の分野に踏み出す時には、これまで積み上げたモノがリセットされたり、人に色々教えを乞う必要もあったりと、多くのエネルギーと多大な苦労が伴うものですが、 若き日は根拠のない自信と溢れるエネルギーでそれらを意に介すことなく、半ば無謀にチャレンジしてき たのだと思います。しかしながら最近 、そのような挑戦をすることがだんだん億劫になってきている自分を感じます。

 例えば、ある程度の年齢になると、これまで築き上げた実績、信用、肩書きに おのずと守られており、実はこれで随分楽をしている面もあったりします 。この居心地の良さを捨て去って、また一からそれらを築き上げてゆく 時のストレスは、齢をとればとるほど大きくなるようです。

 また例えば、新しい分野にチャレンジする際に教えを乞う相手が自分よりも若い人である ケースも齢をとればとるほど増えてきます。年齢に関係なくその道では先輩なので、こちらは相手に対し若くても勿論敬意を払う べきと考えますが、その若人が年長者に対する必要最低限の礼節をわきまえてない輩だと、器量の小さい私は「カチンッ!」ときてしまいます。

 年齢とともに失われてゆく自分の可能性への自信と、無駄に積もったちっぽけな自尊心が、貴重な「フロンティア スピリッツ」を蝕んでいくようです。しかしながら、同じような刺激を与え続けるだけでは人間の成長はすぐにどこかで止まってしまうものであり、新しい領域に踏み込み苦難を乗り越えた時にこそ、大きなレベルUPが得られることは言うまでもありません。

 ちょうど先日読んだ本の中に、『変えてゆかなければ、コアを見出せない』という言葉がありました。多面的なアプローチをしなければ、物事の本質や本当の自分に辿り着けないということを指しており、なんとなく守りに入りつつある現在の自分の姿勢を改める良い警鐘となりました。

 私もCHANGE!!!と言うことで、先ずは外食する時にそれほど美味しい わけでもないのに、いつものお店で済ませてしまっている、そんな姿勢から変えてみようかと思う今日この頃です。
 

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