「私の弱み」  

師範代  平尾 裕子

 2009年6月24日


 先日、昇段審査を終了し、無事に4段に合格することができました。
 ご指導いただきました、先生方、ありがとうございました。
 稽古に行った道場の会員のみなさん、ご協力ありがとうございました。

 なんだかいつもの平尾さんじゃないみたい
 とか言われていましたが、 

 確かに、審査を受けるにあたり、はいさいFESTAあたりから
 審査モードに切り替えて、多少、自分を追い込んだ感があります。 

 緊張や不安でいつもの自分がわからなくなる経験があります。
 実力以上のものは出せないし、
 またそんな中で出せるものが、その人の本当の実力ともいえるのではないか 

 自分が納得するまでやってみようという思いでした。
 ところがです 

 サンチン鍛えを受けても、受けても
 自分が崩れ去るのではないかという不安は消えず

  型をやっても、やっても
 本番で間違えてしまうのではという不安は消えず 

 うなされそうな夜は
 DVD
を繰り返し見て、イメージを高め 

 その敏感さ故に、目が肥えたといいますか
 審査10日前に衝撃の瞬間がおとずれたのです。 

 それは港区スポーツセンターで藤本館長に三十六を見せていただいたとき、

 「○☆X&#”$〜! ◎●%+*<!!」

 これは私の心の中の声なのですが
 家に帰って落ち込み、焦り、今から何ができるか悩みました。 

 そしてさらに私は
 次の稽古で左足甲を打撲し、じんじんしながら帰宅
 娘に報告した後、立ち上がろうとした瞬間、左足に激痛が走り、立てなくなったのです。

 折れてる、絶対骨折れてる、
 ここまできて、審査欠席、ありえない
 泣きました。l 

 翌日、レントゲンを撮って、骨の無事を知り、
 平尾の元気復活です。 

 いきつけの整体の先生に
 万全で臨むより、多少の欠けがあるくらいがいいんじゃないですか?
 と言われ、 

 自分の力以上の完璧をもとめようとあがいていた自分に気付きました。
 「欠け」という言葉、
 決してマイナスの言葉ではないと思いました。 

 欠けに気付くのも修行
 欠けを埋めようとするのも修行
 欠けていても
 欠けも含めて、ありのままの姿 

 欠けという言葉がいとおしくなるような、心の治療を受けた気分です。 

 審査の講評をいただいたように、
 できている部分、できてない部分
 ありのままに出た審査だったと思います。 

 この体験を生かし、これからも稽古に励みます。 

 私の心の声を公表する代わりに、
 私の涙に追い討ちをかけた館長からのお言葉で・・ 

 「武術をするのに怪我はつきもの、まだまだ修行が足りんのでは?」 

 折れない骨に
 折れない心・・ 

 力強く生きていきます。

 

 

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