那覇空港を降りて最初に目に入った垂れ幕、“めんそーれ?え〜っと何だっけな?”。
沖縄空手を学ぶ沖縄ド素人は早速携帯でチェック。
“お〜っ、初沖縄の私を歓迎してくれているのか?”と、それだけで早くも有頂天のにやけ顔。
あこがれの沖縄の地についた瞬間より舞い上がってしまいました。
外の景色は、いかにも日差しが強そうな青い空。“やっぱ沖縄だなぁ、太陽が違うよ・・・”、と冷房の効いた空港内からこれから始まる4日間の沖縄生活に期待が込み上げてきました。
今回、機会を頂き、沖縄伝統空手道世界大会に出場させて頂きました。
いやぁ〜何とも内容の濃く、それでいてまったりとした感あり、さらには暑くて、眠くて、そんな中でも感動あり、笑いあり、涙はなし?、あっという間の貴重な4日間を体験させて頂きました。
湘南HPのアルバムをご覧の方にはだいたいの珍道中の想像がつくかと思いますので、ここでは本題の大会の話をしたいと思います。
さて、今回の世界大会では40数カ国、1000名程度の参加者があり、空手・古武道の「型」の試合が行われました。
一部新聞報道では6000名参加というものもあって、何が本当かよくわかりませんが、とにかく多数であったことは間違いありません。大会控え室では演武を前にウォーミングアップするものもいれば楽しく会話しているものもいて、色んな人種で、色んな背丈の、色んな匂いの交差する異様な雰囲気でした。
が、私としては何故か全く臆する気持ちはなく(連夜飲みすぎのため?)、“自分のできることをするのみ”の精神で待ち構えておりました。
演武まで控え室の蒸し風呂状態の中に1時間いましたが、それにしても隣の南アフリカ人選手らはようしゃべる、このクソ暑い中1時間しゃべりっぱなしではないか。
日本人選手は精神統一して、突き・蹴りを繰り出しながら早くも臨戦態勢に入っている人が多い。人種の差かなぁ・・・で、もって私はあぐらかいて。。。ちょうどサウナに入って昨夜のアルコールを抜いているような感じですか。。。
と、待ちに待って、いよいよ試合コートへ入場、1時間の蒸し風呂控え室のおかげでアルコールも完璧に抜け、一気にテンションも上がりました。
私の対戦相手は・・・ん!さっきのおしゃべり南アフリカ人か。これは負けるわけにいかん。
これまで稽古してきたこと、沖縄に入ってから、沖縄の先生方に指導して頂いたこと全て出し切ろう、と渾身の演武に努めました。
そのコートで上地流の型を使ったのは私が初めてでしたが、型を終えた瞬間、何とも言えない気持ち良さ。その気持ち良さに浸った自分が確かにいました。即ち、自分自身それなりに満足いく演武ができたということだったと思います。その後、例の南アフリカ人選手の演武が始まりましたが、“ん〜、うまいっ!”あんなにおしゃべりしてたのに、スイッチ入るとすごい集中力をかもし出していました。
結果、敗れはしましたが、中には私を支持してくれた審判員もおられ、私のやれることはほぼ出せたということで自分自身の中ではヨシとしていいものと捉えました。
勿論悔しい気持ちもあり、これは今後の励みに持ち帰ろうと。。。最後におしゃべり君とガッチリ握手を交わし、私の大会はあっという間に終わりました。
が、この後の数々の演武、この長い見学時間は、私が出場した試合以上に得るものが多かったように思います。
少年の部・成人の部・シニアの部、それぞれの男女とありましたが、「見惚れる」とは、このことをいうのでしょうか?そんなふうに感じさせてくれる選手が山のようにいました。
そういう選手の演武中は、周りの空気を止めてしまうオーラが出ています。
私も見ていて、たぶん息が止まってたと思われる演武が多数ありました。
そんな選手を見ていて私が共通して感じたオーラは「気力」・「自信」・「誠実」の3つです。この3つのオーラに息を止められてしまうんですね。
繰り出す技には、全て「気力」が乗り移り、その演武にはこれまでの過酷な稽古をやり遂げてきたであろう「自信」がみなぎり、“たぶん、この人空手だけでない”と思わせる日常生活における「誠実」さまでをも感じさせるんですね。
少年であれ、女性であれ、驚くほどのオーラ感じてしまいました。流派は違えど、本当に勉強になりました。
空手を通じて目指すべきところは、本来同じであることも今回身をもって感じ取れた気がします。
この機会を頂けたことに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!