空手時間術 PARTU

指導員   山本 創

 2009年11月12日

 
 コラムの掲載日限が過ぎてもネタがなーーいと悩む私、前回コラムU指導員のように携帯を用いねばなりませんね。勉強になりました。
 さて、今回はそのU指導員の問いかけに答えるべく、私なりの日頃日常生活における鍛錬術を紹介します。

『まずは家庭で』

 家の中なら普通に型の稽古もできますよね。ただ、立ち上がって気合入れて、となるとそれなりの気構えが必要です。それはそれでやる時はやれば良いですが、家の中ではなかなか気合の入らぬもの、ついついまったりとしてしまいがち、そんな時でも身体の部位を鍛えることは手軽にできます。
寝そべりながらでも床を拳でコツコツ、歩きながらも壁をコツコツ。
気分が乗ってきた(特にほろ酔い状態の)際には、壁裏に梁のある部分を見つけてゴツゴツと。すると、寝静まったはずの二階から抗議のドンドン。。。ん〜折角アドレナリンが出始めた所なのにぃ〜と、稽古終了。

『勤務先にて』

 トイレの中はお約束ですね。最近の職場はトイレ退出時に照明を消すことが徹底されているので、入る前に人がいないことが確認できます。
まずは、ドアを開けるととともに小拳で照明スイッチON。そして鏡に向かって正面蹴り。
靴の重みで動きが緩慢になります。悔しいので数回、よしっ、誰も入ってこない。。
今度は横向きになって蹴りの高さの確認。ふと思えばスーツ姿の自分が滑稽です。
用を足す最中には型のイメージトレーニング。“大”の際には完子和から始めて1サイクルの型稽古が完了します。
仕上げは手を洗いながら廻し受けの確認。
このタイミングでよく人が入ってきますね。何故か一瞬見られたかな?と思う相手はいつも掃除のおばちゃんです。
そんな時は廻し受けの手のひらをそのまま鏡に当てて、「ここ、変な汚れが、、、」。受けの基本ができていれば即座のごまかしが成立します。「あら、ありがとう。見ておきますね。」と一度感謝されたことのあるのが自慢です。
上地流っていいですよね。
それにしてもこの手の話、おそらく道場の皆さん誰もが経験されていることと思います。
ある、ある、あるぅ、というところですか?

  事務所内の扉に向かって、これはいつだったかS本指導員が公開されていた鍛錬法“飛び込み突き−扉開け”というのを試みてみたくも思いますが、そこまで勇気のない私はさりげない“小拳開け”を試みています。
扉の軸と反対サイドを突けば楽ですが、ここはてこの原理を逆に用いて、中央あたりを突くと結構いい鍛錬になります。自己満足!  

 廊下、階段はやはり歩きながら壁に正拳。
音を立てて突くのは快感ですが、“いつも機嫌の悪い人”のレッテルを貼られては仕事にも影響してしまいますので、音を立てずに押し付けるようにして鍛えるのがコツです。
それでも変な人には見られますが、かつて完文先生が貫手で体中を突きながら外を歩かれていたという話を思い出せば勇気も湧いてきます。

  喫煙ルームでは、据え置きの集塵装置をスネで蹴って鍛えます。
換気扇の音もうるさく、人の目も気にならないところにあるので思い切ってやれる時間です。が、相手が金属製なので私如きでは思い切って蹴れないのが残念なところです。

 
『出張中も』

 新幹線の中でも稽古はできます。座席にいる際には専ら足先の鍛えです。
靴を脱いで前の座席の背中に押し付けます。クッションが何ともほどよい。蹴りたいところですが、ガラの悪い人と思われてはなりませぬ。そこは我慢です。

  、と調子に乗って書いてみましたが、U指導員の鍛錬法に比べれば何とも子供だましな。。。  

 しかしながら、レベルはともかく何気なく時間を過ごす際にも空手が身にしみついてきたことの証し、何とも心地よく満足に浸る自分でした。  


 

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