「もずく味噌汁が教えてくれたこと」

指導員   叢 可奈子 

 2011年1月30日

 

みなさん、こんにちは。

寒い日が続きますが、体調崩されていませんか?

コラムを書いている今、外では雪がちらついています。

 

さて、このコラム、毎回パソコンを使用して作成し、提出しています。

何を当り前なことを!と思われたでしょう。

そうですよね、パソコンは今や生活必需品。

あらゆることをサポートしてくれます。

 

とーっても便利で、優秀なパソコンですが、先日、恐いかも・・・と思った出来事が起きました。

 

私は、仕事で朝から何時間もパソコン操作をします。

主に、エクセルを使用します。

エクセルで資料を作成している最中、頻繁に使用するのが「元に戻す」のボタン。

「あっ、さっきの情報消しちゃいけなかった!」

なんてことがあっても、「元に戻す」のボタンをカチカチっとクリックすれば、消してしまったデータもまさに元に戻ります。

なので、間違っても安心。

間違ったら元に戻す、間違ったら元に戻す、この操作を一日何回も行います。

 

そんなある日、私が夕食を作っている時のことです。

お味噌汁がいい感じに出来上がり、味噌のいい香りがキッチンに立ち込めていました。

「そうだ、もずくの賞味期限が近かったな・・・」

と思いだし、冷蔵庫から味付けもずくの小さなパックを取り出しました。

そのとき、ボコボコボコという音が聞こえ、ふと鍋をみると、お味噌汁が吹き出そうになっていました。

あわてて火からおろし、ホッとしながら、手に持っていたもずくパックを開けました。

しかし、思っていたより軽い力で開いてしまったため、勢い余って手が大きくぶれてしまい・・・

「パチャーン」

その光景はいまだにスローモーションで私の脳裏に焼き付いています。

緑色の細い糸くずのようなもずくと、それを受け止めていた透明の液体が、湯気の立ったお味噌汁の中へ消えていくという何とも悲しい光景。

その時、私が最初にやろうとしたこと、それは・・・

「元に戻すボタン!!!」

このキッチンのどこに「元に戻す」ボタンがあるというのでしょうか。

すぐに我に返り、悲しさと悔しさでいっぱいになりながらしばらくお味噌汁を見つめていました。笑

 

どいでもいいくだらない話に思えますが、とっても恐いとも思います。

バーチャルで行っている行動を、リアルに持ち込もうとした自分。

それを、無意識で持ち込んだ自分がいました。

出来るはずのないことを、一瞬でも出来ると錯覚してしまったのです。

 

現実と、非現実の境目が曖昧になりつつあるのかもしれません。

境目がもっともっと曖昧になったら・・・。

 

コンピューター、ゲームはリセット出来るけれども、現実はそう簡単にリセット出来ない。

今回の事件で、よく学びました。





ホーム