『東日本大震災に寄せて』 |
|
館長 藤本 恵祐 |
2011年3月21日 |
3月11日(金)、未曾有の大震災が東北・関東エリアを襲いました。 私も都内の事務所(ビル8F)で勤務中であり、今までに経験の無い激しい揺れ方に、「遂に自分の人生も終わりを迎えたか」と覚悟を決めたほどでした。 被災された皆様には、謹んでお悔やみ、お見舞い申し上げます。 ニュースでご存知の通り、亡くなった方、行方不明の方の人数や、倒壊した家屋数を含め、戦後最大級の被害となり、日本人の心と被災地に大きな爪跡を残しました。(海外支部からも多数のお見舞いメールを東京本部に頂きました) その大震災の影響で、被災地では何十万という方々が避難所生活を強いられ、福島では原発事故の後処理、首都圏では計画停電とまだまだ困難な生活が続きます。 一方冷静に考えれば、今回の震災は、我々日本人にとって貴重な教訓もたくさんもたらしてくれたのではないでしょうか。 それは今後の防災・救難対策だけではありません。実は、最も大きな教訓は、「日本人の生活態様そのものの見直し」ではなかったでしょうか。 計画停電や燃料・食料不足(一時的な現象)を経験して思ったことは、電力資源の貴重さはもちろんですが、日本人は何と物質に頼った消費生活ならぬ浪費生活を送って来たのだろうということです。 ・深夜まで買い物をしたり、一晩中インターネットを楽しんだりする必要があるのか? ・うっかり消費期限が来てしまい、捨ててしまうような食材をたくさんストックしておく必要があるのか? ・近場での買い物も車で出かけたり、毎朝毎朝同じ時刻に、超満員状態の電車に皆で乗りあって会社に出向く必要があるのか?(ITは一体誰のために進化した?) 今回の震災では、被災地の復興を急ぎながらも、同時に、生活基盤を共にする近隣住民の皆さんと横の連帯・コミュニケーションを深め、資源の無駄使いを排し、経済的・物質的な豊かさではなく、心の豊かさを大切にする方向に、我々日本人全体が舵を切るきっかけを提供してくれたと考えるべきではないでしょうか。 政治も経済も混沌としている状況ですが、今こそ皆さんと共に、日本人はこれからどのような国造りを目指すべきか、無念にして亡くなられた方々の分も模索して行きたいと思います。 |