『蝉しぐれ』 |
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館長 藤本 恵祐 |
2011年8月7日 |
街の雰囲気は、節電対策で例年と比べ何となく薄暗い感じもしますが、ようやく湘南に相応しい夏真っ盛りの気候となりました。 戸外は、少し遅まきながらも、夏の主役?である蝉たちの喧騒に包まれ、「盛夏」のムードを嫌がうえでも盛り上げています。 その主役の蝉たちは、皆さんご存知の通り何年も土の中で暮らし、ようやく地上にデビューしたかと思ったらわずか1週間足らずで生命の花を咲かせ切って再び土に還って行くんですね。 我々人間からしたら、何と儚い生涯なんだろう?と可哀そうに想えてしまうのですが、では果たして人間の方が蝉たちよりも幸せな一生を過ごしているのでしょうか? 日本人の平均寿命は80歳を超えています。つまり、大抵の日本人は春夏秋冬を80回以上も繰り返すのです。 その長いライフサイクルのなかで、ややもすると日常生活もマンネリ化し、「何となく去年と同じことをして満足している」生活を送っていないでしょうか? 蝉たちの地上に出てからの生は、人間から見たら極めて短い一瞬でしかありませんが、」毎日が冒険、求愛活動の連続で、きっと短いながらもとてもワクワク、充実しているのではないかと思います。 その意味では、私たち人間も、1ヶ月とか1年とか、もう少し短いサイクルのなかで、自分の生活を見つめ直し、けっしてマンネリ化することなく、絶えず新しい自分に脱皮(成長・変身)することを心がけるべきではないでしょうか? 今回はふと「蝉しぐれ」に思いを馳せ、コラムのネタにしてみました。 そこで一句、 「蝉しぐれ、お前も鳴けと聞こえ来る」
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