『行って来ました福建省へ!』 |
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館長 藤本 恵祐 |
2012年8月12日 |
お盆休みに入り、会員・保護者の皆様も夏休みモードの方が多いのではないでしょうか。 そんな折、私はかねてからの悲願でありました福建省・福州へ、流祖・上地完文先生の足跡を研究すべく旅をして参りました。概略は公式ホームページや、この湘南ホームページに写真付きで紹介していますので、是非ご覧ください。 何が大変だったかって、経費節減で格安LCCの「春秋航空」(China
Spring Air Line)を利用して、 春秋の航空機は座席の前後間隔が極端に狭く、しかもリクライニングの無いシートで約3時間のフライトに耐えなければなりません。とにかく「試練」なのです。しかし、上地完文先生は、福州に修業に向かう時は、まさに命がけとなる「船」を利用された訳で、たかだかリクライニングが無いくらいで贅沢言うな!と自分を叱咤しながらの空の旅でした。 福州は人口640万人の省都であります。緯度的には、ほぼ那覇と同じくらいの位置にあり、約700年も前から福州−那覇で交易があり、それがご縁で両市は姉妹都市として現在も強い提携関係にあります。 今回は、偶然ですが様々なご縁の重なりで、福州市武術協会とも短期間で事前調整も円滑に進み、現地での交換演武、意見交換、交流晩餐会も非常にフレンドリーな雰囲気のなかで終えることができました。(映像は別途会員の皆様にご紹介の機会を設けます) 特に、上地完文先生が重点的に学ばれた虎形拳の演武では、随所に上地流を彷彿とさせる技法が含まれ、特に小手鍛えはほぼ同じ内容であることからも、両者の緊密な相似性を窺い知ることができました。 今まで幾度か沖縄の空手組織、関係者と交流の機会があったが、ここまで時間を掛けて演武や意見交換を行い、かつ通訳を二人も立てて円滑なコミュニケーションが出来たのは初めてであると大変喜んでいただき、今後も是非交流を継続して行きたいとの意見で一致しました。 そして、今回の訪中のもう一つの目的は、上地流ゆかりの施設等を訪ねることでしたが、中でも周子和先生の生家は、即ち上地完文先生の修業の場所でもあることから、実際に目の当たりにした時には、感動で足が震えそうになりました。私自身は、これをもって、上地完文先生生誕の地、中国修業の地、パンガヰヌーン唐手術創始の地(和歌山)、そして逝去の地と、先生の人生における大きな節目の場所に自らの足で立ったことになります。 そのほか、周先生のエピソードや武歴、上地完文先生の足跡、パンガヰヌーンの意味などなど、たくさんの収穫がありましたが、これから約1ヶ月を掛けて頭と情報を整理し、皆様への報告会の準備に専念します。(9月下旬を予定) ひょっとすると、皆様があっと驚くような映像等をご覧に入れることができるかも知れませんので、乞うご期待。(現時点で、福州市武術協会にて調査中の事項が何点かあります) まさに「命がけ」の渡清修業により、上地流の種を福州から持ち帰えられた上地完文先生に心から敬意を表し、これからも皆さんと一緒に鍛錬精進したいと思います。 |