大自然は偉大なり

館長  藤本 恵祐

 2014年7月6日

まだ梅雨空が続きますが、実際上は夏本番のシーズンを迎えました。
私はほぼ毎朝茅ヶ崎海岸(サザンビーチ)をウォーキングしていますが、最近あらためて気がついたことを少しお話ししたいと思います。

 1枚目の写真をご覧ください。
海岸の歩行者・自転車用専用道路を平塚方面に向かって撮影したものですが、鉄柵の左側は何だかお判りでしょうか?

茅ヶ崎にお住いの方はご存知だと思いますが、これは別に緑地とか空地ではありません。
茅ヶ崎海岸が波に浸食されて段々ビーチがやせ細って行くのを防ぐための人工土手なのです。

 確か私が茅ヶ崎市に引っ越してきた当初はこんな土手は無く、鉄柵の外はそのままなだらかなビーチだったと記憶しています。

 海岸が浸食されるに従いこの土手は自然と崩れてゆき、最終的にはまた大型トラックとショベルカーで土砂を埋めて人工土手を作り、海岸線の養生を数年おきに繰り返すことになります。(そうしないと、場所によっては完全にビーチが消滅する危機的状況になります)

 莫大な税金を投入してのこの対策は居住環境や景観を守るために必要な対策でやむを得ないと思いますが、実は私が感じ入ったのは、「波」の浸食力の凄さです。

 一見すれば海岸線の「波」はいわゆる潮騒と言って耳障りもよく、遠く彼方の「波」を眺めていると嫌なことも忘れ、心を落ち着かせてくれる癒しの効果があるくらいですね。

 しかし、同時にそれは知らないうちに、かつ着実に大地を少しずつ少しずつ時間をかけて崩して浸食を続けている訳です。

 そのこと自体は我々人間からすれば困ったことなのかも知れませんが、同時に私は「波」の力=コツコツコツコツ、寄せては返し止むことなく、繰り返し繰り返し大地に打ち寄せるという営みに、あるべき武術修行者に求められるストイックな姿勢を感じるのです。

 「点滴石をも穿つ」という諺もありますが、コツコツ重ねる修行の成果は僅かなものかも知れません。しかし途切れることなく5年、10年、20年・・・と続けて行くうちに、自分自身でも計り知れないほどの大きなパワーとエネルギーを秘めることになるのではないか・・・。

 そんなことをふと考えながら写メした次第です。

 ちなみに2枚目はいきなりミーハーな写メなんですが、ついに茅ヶ崎サザンビーチも海開きとなり、朝から海の家も活気づいています。

 皆様どうぞ我が茅ヶ崎市に遊びにお越しください。

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