『清原事件』 |
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館長 藤本 恵祐 |
2016年2月6日 |
そんな状態で自宅静養していましたら、元プロ野球選手の清原氏が覚せい剤所持の嫌疑で逮捕されたというニュースが飛び込んできました。皆さん驚かれたかと思いますが、私は淡々と受け止めました。なぜか??
私の家族には以前から公言していましたが、週刊誌のスクープ記事を見るまでもなく、彼は引退後の表情や風貌、TVでの言動等からして、何らかの薬物に手を出しているだろうと確信していたからです。他にも類例の芸能人などがたくさん居ます。
しかし、私は清原氏が逮捕されたそのことよりも、報道番組などでの司会者やコメンテーターの発言に何とも言い難い違和感を覚えるのです(もちろん、法を犯した清原氏は、いかなる事情があれ、堂々と法の裁きを受けなければならない)。
それは、「野球少年たちの夢、ヒーローだった清原氏が、覚せい剤に手を染めたのは残念」とか「この困難を乗り越えて再度スポーツ・芸能界に復帰して欲しい」などのコメントです。(今の国会でも、本件について総理大臣の所感を求める質問をした暇な国会議員がいたのには驚きました)
確かに、どんな犯罪を犯した者にも、反省、懺悔や法の定める処罰を済ませた後は、社会復帰のチャンスを与えなければ社会は成り立ちません。しかし、野球少年たちの夢やヒーローだったからという何か特別な形容は、犯罪への対応においては一切意味を持たせてはいけないし、マスコミが言ってはならないことだと思います。
清原氏は著名人であるがゆえにこのような騒がれ方をしている訳ですが、他の覚せい剤犯罪者と同じ立場で、つまり一市民として平穏かつ公平に裁かれ、かつ更生のチャンスが与えられるべきだと思います。マスコミには、そろそろ視聴率稼ぎのバカ騒ぎは終わりにして、もっと根本的に改めなければならない社会共通の問題について取り上げて欲しいと思います。 我々は、ごく普通の善良な市民としての目線、判断、行動を常々忘れないようにしたいものです。 |