原点回帰

館長  藤本 恵祐

 2017年10月7日

 

先日、ふと思い立って八王子市内の首都大学東京(南大沢キャンパス)

近隣にある「八王子柚木道場」跡地を訪ねました。懐かしき我が道場跡地です。

 私が昭和55年に入門した当時は「半硬軟流・八王子守礼館」という道場名で、館長は下地康夫先生、師範代は故・山田親和先生。写真家屋の少し奥にあった剣道場をお借りしていました。(かなり以前に取り壊されて今はありません) 

中央大学に通うために住んでいたアパートからバイクで10分ほどの場所にあり、35歳くらいまで指導を兼ねて時々顔を出していましたので、約20年ぶりの訪問です。郷里熊本から上京した頃の「初心・原点回帰」にもなり、色んなことを想い出して、つい胸が熱くなりました。
私の関東での生活は、まさにここからスタートしたのです。
 

稽古は毎週月、木、土の19時〜21時。実際は18時くらいに顔を出して21時半くらいまで残って自主トレもしていました。プレハブ作りの平屋道場で、当時は首都大学東京も無く周囲はタヌキが出るような野原。道場内が真冬は零下、真夏は35℃を超える温度になり、季節によってはなかなか過酷な環境での稽古でした。普段の稽古だけでは物足りないときは、剣道場の館長に了解を得て、個人稽古もしていました。 

会員は最盛期で20名程度。皆さんが想像できないくらいのハードな稽古をしていましたが、当時は「空手の稽古はこんなもんだろう」と思っていたから耐えられたのかも知れません(笑)。入門当初は先輩会員から手厳しく小手鍛えや組手の指導を受け、アパートに帰って夕食を食べようにも腕が震えて止まらず、箸が上手に使えないためご飯を手で掴んで食べたこともありました。指とか骨折して腫れても病院に行かずにそのまま放置して治してしまうような感じで、今にして思えば、ずいぶん無茶したよな〜、と自分でも呆れます。

 ここから私の空手人生はスタートしたのですが、まさか今日まで続けるとは、当時は想像もしていませんでした。偶然アパート近くのバス停に貼ってあった道場ポスターを見て入門したのですが、上地流という流儀のユニークさ、フレンドリーな沖縄出身の先生方、苦難の修行と普及に生涯を賭けた流祖・先達の存在等々にすっかり魅了されてしまったと言うことでしょうか。 

しかし、私はこの唐手を続けてきて本当に良かったと思っています。
この唐手と共に歩んできたからこそ今の私があると確信しているからです。これからも生涯修行を続けて行こうと道場跡地で心に誓いました。

 皆さんにも、きっと「心の原点回帰」ができる場所があるかと思います。
何かに悩んでいる方、新しい決断をしなければいけない方などは特に、是非その場所を訪ね、自分自身の「初心」を改めて思い出してみてはいかがでしょうか?きっと不思議な勇気と元気が湧いてくると思います。

  

※八王子柚木道場跡地を訪ねてみたい方は、藤本まで直接お問合せください(跡地民家のドアノック、敷地への立ち入りはNGです)。
車で15分の位置には多摩動物公園もあったりして、プチレジャーが楽しめます。

 




 

 

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