『茅ヶ崎道場開設20周年に寄せて』

既に当ホームページにてご紹介していますが、6月15日(土)に「茅ヶ崎道場設立20周年記念祝賀会」が盛大に開催され、大勢の会員、保護者、関係者の皆さまにご出席頂きました。

茅ヶ崎道場は私が初代道場長として2004年に立ち上げましたが、早くも20年の月日が流れたことに、改めて感銘を覚える次第です。

祝賀会では、杉本道場長から「道場の歩み」についてプレゼン頂き、その中で、「道場は人間交差点」という言葉がありました。

 まさしくその言葉通り、茅ヶ崎道場を始めとする各道場は、様々な方がそれぞれの目的や希望を持って通い、単に鍛錬だけではなく、精神修養を積み人脈を広げる場でもあります。

 道場に通う皆さまにこの場を借りてお願いしたいことは、日々の稽古に際し、唐手の修行によって心身の強化を図ることがゴールではなく、鍛えぬいたその心身を、社会のために活かして行くことこそがゴールであるという信念を持って臨んで頂きたいということです。

 そのためには、単に「技法」を研鑽するだけではなく、流派の「歴史」と「精神」も欠くことなく学ぶことが必要となり、「技法」の習得だけを追求することは、武術修行の本質からして邪道と言わざるを得ません。

有名な幕末の思想家・吉田松陰の語録に、「師道を興さんとならば、妄りに人の師となるべからず、又妄りに人を師とすべからず。必ず真に教うべきことありて師となり、真に学ぶべきことありて師とすべし」とあります。

 その意味は「真に教えるべきことがあってこそ師匠となり、真に学びたいことがあってこそ弟子になるべきである」ということですが、我々はまさにそのスピリッツを共有・実践する道場でありたいと考えます。

 最後に指導者の皆さまへのメッセージを記して、私の20周年記念メッセージと致します。

「技を伝えるは三流、道を諭すは二流、共に育つが一流」

2024年6月23日

湘南修武館 

館長 藤本恵祐